データベースからセキュリティユーザをロードする方法(エンティティプロバイダ)¶
Symfony の最もスマートツールの1つは、セキュリティレイヤーです。セキュリティレイヤーは、認証と承認のプロセスを処理します。内部的の動作を理解することは難しそうに見えます。しかし、セキュリティシステムはとても柔軟で、アクティブディレクトリ、OAuth認証、データベース認証などいろんな認証を統合することができるようになっています。
イントロダクション¶
この記事では、 Doctrine のエンティティクラスによるデータベーステーブルに対するユーザ認証にフォーカスを当ててみます。このレシピの内容は、3つに別れています。まず第1のパートでは、 Doctrine User エンティティクラスを設計して、 Symfony のセキュリティレイヤーで利用可能にすることに関して説明します。第2のパートでは、 Doctrine の Symfony\Bridge\Doctrine\Security\User\EntityUserProvider オブジェクトとそのコンフィギュレーションを使用して、簡単にユーザ認証を行う方法を説明します。最後のパートでは、:class:Symfony\Bridge\Doctrine\Security\User\EntityUserProvider のカスタムクラスを作成し、カスタム化した条件でデータベースからユーザを検索する方法を説明します。
このチュートリアルでは、アプリケーションカーネルで Acme\UserBundle バンドルをブートストラップしロードしてあることを想定います。
データモデル¶
このレシピの目的のために、 AcmeUserBundle バンドルが User エンティティクラスを含んでおり、 User エンティティには、 id, username, salt, password, email, isActive フィールドを持つようにしてください。 isActive フィールドはユーザアカウントが有効化どうかのフラグです。
短くするために、ゲッターメソッドとセッターメソッドを削除して、 Symfony\Component\Security\Core\User\UserInterface インタフェースの重要なメソッドにフォーカスしています。
// src/Acme/UserBundle/Entity/User.php
namespace Acme\UserBundle\Entity;
use Symfony\Component\Security\Core\User\UserInterface;
use Doctrine\ORM\Mapping as ORM;
/**
* Acme\UserBundle\Entity\User
*
* @ORM\Table(name="acme_users")
* @ORM\Entity(repositoryClass="Acme\UserBundle\Entity\UserRepository")
*/
class User implements UserInterface
{
/**
* @ORM\Column(name="id", type="integer")
* @ORM\Id()
* @ORM\GeneratedValue(strategy="AUTO")
*/
private $id;
/**
* @ORM\Column(name="username", type="string", length=25, unique=true)
*/
private $username;
/**
* @ORM\Column(name="salt", type="string", length=40)
*/
private $salt;
/**
* @ORM\Column(name="password", type="string", length=40)
*/
private $password;
/**
* @ORM\Column(name="email", type="string", length=60, unique=true)
*/
private $email;
/**
* @ORM\Column(name="is_active", type="boolean")
*/
private $isActive;
public function __construct()
{
$this->isActive = true;
$this->salt = base_convert(sha1(uniqid(mt_rand(), true)), 16, 36);
}
public function getRoles()
{
return array('ROLE_USER');
}
public function equals(UserInterface $user)
{
return $user->getUsername() === $this->username;
}
public function eraseCredentials()
{
}
public function getUsername()
{
return $this->username;
}
public function getSalt()
{
return $this->salt;
}
public function getPassword()
{
return $this->password;
}
}
Symfony のセキュリティレイヤーで AcmeUserBundle:User クラスのインスタンスを利用するために、エンティティクラスは、 Symfony\Component\Security\Core\User\UserInterface インタフェースを実装する必要があります。このインタフェースは、次の6つのメソッドを実装を強制します。それは、 getRolls(), getPassword(), getSalt(), getUsername(), eraseCredentials(), equals() です。それぞれのメソッドの詳細は、 Symfony\Component\Security\Core\User\UserInterface を参照してください。
説明を簡単にするために、 equals() メソッドでは、 username フィールドを比較するのみにしています。しかし、もちろんあなたのデータモデルの複雑性に応じて、より多くチェックすることもできます。 eraseCredentials() メソッドでは、この記事では、重要でないため空のままとしています。
以下が、 MySQL の User テーブルの内容の一例です。ユーザレコードの作成やパスワードのエンコードの方法の詳細は、 book-security-encoding-user-password を参照してください。
mysql> select * from user;
+----+----------+------------------------------------------+------------------------------------------+--------------------+-----------+
| id | username | salt | password | email | is_active |
+----+----------+------------------------------------------+------------------------------------------+--------------------+-----------+
| 1 | hhamon | 7308e59b97f6957fb42d66f894793079c366d7c2 | 09610f61637408828a35d7debee5b38a8350eebe | [email protected] | 1 |
| 2 | jsmith | ce617a6cca9126bf4036ca0c02e82deea081e564 | 8390105917f3a3d533815250ed7c64b4594d7ebf | [email protected] | 1 |
| 3 | maxime | cd01749bb995dc658fa56ed45458d807b523e4cf | 9764731e5f7fb944de5fd8efad4949b995b72a3c | [email protected] | 0 |
| 4 | donald | 6683c2bfd90c0426088402930cadd0f84901f2f4 | 5c3bcec385f59edcc04490d1db95fdb8673bf612 | [email protected] | 1 |
+----+----------+------------------------------------------+------------------------------------------+--------------------+-----------+
4 rows in set (0.00 sec)
テーブルには、4つのユーザが異なる username, email で入っています。次の節では、 Doctrine エンティティユーザプロバイダを使用し、設定をして、これらのユーザの認証方法に着目します。
データベースでユーザを承認する¶
データベースに対して Doctrine のユーザを Symfony のセキュリティレイヤーで認証することはとても簡単です。 app/config/security.yml ファイルで SecurityBundle 設定を全てすることができるのです。
下記は、 HTTP ベーシック認証での username と password を入力するユーザの設定の例です。これらの情報は、データベースのユーザエンティティのレコードでチェックされます。
-
YAML
# app/config/security.yml security: encoders: Acme\UserBundle\Entity\User: algorithm: sha1 encode_as_base64: false iterations: 1 providers: administrators: entity: { class: AcmeUserBundle:User, property: username } firewalls: admin_area: pattern: ^/admin http_basic: ~ access_control: - { path: ^/admin, roles: ROLE_ADMIN }
encoders セクションは、エンティティクラスの sha1 パスワードエンコーダーに関連付けています。これは、 Symfony がデータベースに保存するパスワードが sha1 のアルゴリズムを使用してエンコードされるようにしています。正しくパスワードをエンコードして、新しくユーザオブジェクトを作成する方法の詳細は、セキュリティの章の book-security-encoding-user-password セクションを参照してください。
providers セクションは、 administrators ユーザプロバイダを定義します。ユーザプロバイダは、認証の際にユーザがロードされる “source” になります。今回のケースでは、 entity キーワードは、次のことを意味いています。それは、ユニークなフィールドの username を使用して、データベースからユーザエンティティオブジェクトを検索するのに、 Symfony が Doctrine エンティティユーザプロバイダを使用するということです。つまり、これで Symfony がパスワードの妥当性をチェックする前いデータベースからユーザを取ってくることを意味いているのです。
このコードと設定で動作はしますが、 有効 ユーザのアプリケーションをセキュアにするには不十分です。ですので、依然 maxime で認証できてしまいます。次のセクションでは、無効なユーザを拒否する方法を説明します。
無効なユーザを拒否する¶
無効なユーザを除外する最も簡単な方法は、ユーザアカウントの状態をチェックする Symfony\Component\Security\Core\User\AdvancedUserInterface インタフェースを実装することです。 Symfony\Component\Security\Core\User\AdvancedUserInterface インタフェースは、 Symfony\Component\Security\Core\User\UserInterface インタフェースを拡張しているので、 AcmeUserBundle:User エンティティクラス内で新しいインタフェースをスイッチするだけでシンプルで高度な認証の仕組みの恩恵を受けることができます。
Symfony\Component\Security\Core\User\AdvancedUserInterface インタフェースは、アカウントの状態をバリデートするために、次の4つのメソッドを追加しています。
- isAccountNonExpired() ユーザアカウントが期限切れになっているかチェックします
- isAccountNonLocked() ユーザがロックされているかチェックします
- isCredentialsNonExpired() ユーザの証明 (パスワード)が期限切れなっているかチェックします
- isEnabled() ユーザが有効かチェックします
この例では、最初の3つのメソッドは、 true を返しますが、 isEnabled() メソッドは、 isActive フィールドの boolean の値を返しています。
// src/Acme/UserBundle/Entity/User.php
namespace Acme\Bundle\UserBundle\Entity;
// ...
use Symfony\Component\Security\Core\User\AdvancedUserInterface;
// ...
class User implements AdvancedUserInterface
{
// ...
public function isAccountNonExpired()
{
return true;
}
public function isAccountNonLocked()
{
return true;
}
public function isCredentialsNonExpired()
{
return true;
}
public function isEnabled()
{
return $this->isActive;
}
}
これで maxime で認証しようとすれば、有効なアカウントではないので、アクセスは拒否されます。次のセクションでは、 username や email での認証を行うカスタムエンティティプロバイダの書き方に焦点を宛てます。
カスタムエンティティプロバイダで認証を行う¶
次のステップは、データベース内でユニークである username や email でユーザを認証させます。残念ながらネイティブのエンティティプロバイダは、データベースからユーザを取り出す際に、1つのプロパティしか処理することができません。
これを実現するために、サブミットされたログイン username が username もしくは email フィールドがマッチするかをチェックするカスタムエンティティプロバイダを作成します。幸いなことに、 Symfony\Component\Security\Core\User\UserProviderInterface. インタフェースを実装すれば、 Doctrine リポジトリオブジェクトは、エンティティユーザプロバイダとして振る舞うことができます。このインタフェースでは次の3つのメソッドを強制します。 loadUserByUsername($username), refreshUser(UserInterface $user), supportsClass($class) です。詳細は、 Symfony\Component\Security\Core\User\UserProviderInterface を参照してください。
以下のコードは、 UserRepository クラス内の Symfony\Component\Security\Core\User\UserProviderInterface の実装になります。
// src/Acme/UserBundle/Entity/UserRepository.php
namespace Acme\UserBundle\Entity;
use Symfony\Component\Security\Core\User\UserInterface;
use Symfony\Component\Security\Core\User\UserProviderInterface;
use Symfony\Component\Security\Core\Exception\UsernameNotFoundException;
use Symfony\Component\Security\Core\Exception\UnsupportedUserException;
use Doctrine\ORM\EntityRepository;
use Doctrine\ORM\NoResultException;
class UserRepository extends EntityRepository implements UserProviderInterface
{
public function loadUserByUsername($username)
{
$q = $this
->createQueryBuilder('u')
->where('u.username = :username OR u.email = :email')
->setParameter('username', $username)
->setParameter('email', $username)
->getQuery()
;
try {
// The Query::getSingleResult() method throws an exception
// if there is no record matching the criteria.
$user = $q->getSingleResult();
} catch (\NoResultException $e) {
throw new UsernameNotFoundException(sprintf('Unable to find an active admin AcmeUserBundle:User object identified by "%s".', $username), null, 0, $e);
}
return $user;
}
public function refreshUser(UserInterface $user)
{
$class = get_class($user);
if (!$this->supportsClass($class)) {
throw new UnsupportedUserException(sprintf('Instances of "%s" are not supported.', $class));
}
return $this->loadUserByUsername($user->getUsername());
}
public function supportsClass($class)
{
return $this->getEntityName() === $class || is_subclass_of($class, $this->getEntityName());
}
}
- 実装を終えるには、セキュリティレイヤーの設定を変更して、Symfony に、最初から入ってる値の Doctrine エンティティプロバイダではなく、今回作成したカスタムエンティティプロバイダを使用するように変更する必要があります。 security.yml ファイルの security.providers.administrators.entity セクション内の property フィールドを削除するだけです。
- (It’s trival to achieve by removing the property field in the security.providers.administrators.entity section of the security.yml file.)
-
YAML
# app/config/security.yml security: # ... providers: administrators: entity: { class: AcmeUserBundle:User } # ...
これで、セキュリティレイヤーは、 UserRepository のインスタンスを使用して loadUserByUsername() メソッドを呼ぶようになり、 username でも email でもデータベースからユーザを取得することができるようになります。
データベースの権限を管理する¶
このチュートリアルの最後では、 データベースに権限のリストを格納したり、取得したりする方法を説明します。上記で説明したように、ユーザがロードされると、 getRoles() メソッドがそのユーザのセキュリティ権限の配列を返します。このセキュリティ権限はどこに格納していてもロードすることができます。それは、全てのユーザのためのハードコードでも、 Doctrine の配列プロパティの roles でも、 Doctrine の関連するからもです。それでは、その方法をこのセクションで見ていきましょう。
Caution
標準的なセットアップでは、 getRoles() メソッドは必ず1つ以上の権限を返す必要があります。関連として、通常は ROLE_USER が返されます。権限を返すことに失敗すると、つまり、それはそのユーザは認証がされていないことになります。
この例では、 AcmeUserBundle:User エンティティクラスは、 AcmeUserBundle:Group エンティティクラスと多対多の関連しています。ユーザは、複数のグループに関連することができますし、グループも複数のユーザから成ることもできます。グループもまた1つの権限なので、 getRoles() メソッドで関連するグループのリストを返すようにします。
// src/Acme/UserBundle/Entity/User.php
namespace Acme\Bundle\UserBundle\Entity;
use Doctrine\Common\Collections\ArrayCollection;
// ...
class User implements AdvancedUserInterface
{
/**
* @ORM\ManyToMany(targetEntity="Group", inversedBy="users")
*
*/
private $groups;
public function __construct()
{
$this->groups = new ArrayCollection();
}
// ...
public function getRoles()
{
return $this->groups->toArray();
}
}
AcmeUserBundle:Group エンティティクラスは、3つのテーブルフィールドを定義しています(id, name, role)。ユニークな role フィールドは、 Symfony アプリケーションのセキュアな部分への セキュリティレイヤーによって使用される権限の名前を含んでいます。最も重要なことは、 AcmeUserBundle:Group エンティティクラスが Symfony\Component\Security\Core\Role\RoleInterface インタフェースを実装しており、 getRole() メソッドが強制となっていることです。
namespace Acme\Bundle\UserBundle\Entity;
use Symfony\Component\Security\Core\Role\RoleInterface;
use Doctrine\Common\Collections\ArrayCollection;
use Doctrine\ORM\Mapping as ORM;
/**
* @ORM\Table(name="acme_groups")
* @ORM\Entity()
*/
class Group implements RoleInterface
{
/**
* @ORM\Column(name="id", type="integer")
* @ORM\Id()
* @ORM\GeneratedValue(strategy="AUTO")
*/
private $id;
/** @ORM\Column(name="name", type="string", length=30) */
private $name;
/** @ORM\Column(name="role", type="string", length=20, unique=true) */
private $role;
/** @ORM\ManyToMany(targetEntity="User", mappedBy="groups") */
private $users;
public function __construct()
{
$this->users = new ArrayCollection();
}
// ... getters and setters for each property
/** @see RoleInterface */
public function getRole()
{
return $this->role;
}
}
カスタムエンティティプロバイダからユーザを検索する際に、パフォーマンスを改良し、グループの遅延ローディングを避けるための最良の方法は、 UserRepository:loadUserByUsername() メソッドでグループリレーションをジョインすることです。こうすることで、1つのクエリーでユーザとそれに紐づいた権限やグループをまとめて取得します。
// src/Acme/UserBundle/Entity/UserRepository.php
namespace Acme\Bundle\UserBundle\Entity;
// ...
class UserRepository extends EntityRepository implements UserProviderInterface
{
public function loadUserByUsername($username)
{
$q = $this
->createQueryBuilder('u')
->select('u, g')
->leftJoin('u.groups', 'g')
->where('u.username = :username OR u.email = :email')
->setParameter('username', $username)
->setParameter('email', $username)
->getQuery()
;
// ...
}
// ...
}
email と username からユーザを取得する際に QueryBuilder::leftJoin() メソッドは、 AcmeUserBundle:User モデルクラスから、関連するグループをジョインし取得します。