Symfony2 でのページ作成¶
Symfony2 で新しいページを作成するには以下の2つの簡単なステップから構成されます。
- ルート(route)の作成: ルートは作成するページへの URL(例えば about)を定義し、 Symfony2 が実行すべきコントローラ(PHP 関数)を特定します。 やってきたリクエストの URL がルートパターンにマッチするときに使われます。
- コントローラの作成: コントローラはやってきたリクエストを取り込んで、 ユーザーに返却する Response オブジェクトに変換するような PHP 関数です。
このシンプルな方法は、ウェブの仕組みと一致していてとても美しいと言えます。 ウェブ上のあらゆる相互通信は HTTP リクエストによって開始されます。 アプリケーションの動作は、リクエストを読み取って適切な HTTP レスポンスを返すだけです。
Symfony2 はこの哲学に従って、ユーザーと複雑さが膨れ上がるようなアプリケーションを整理できるように ツールや規約を提供しています。
とても簡単に聞こえますか?試してみましょう!
「Hello Symfony!」ページ¶
クラシックな「Hello World!」アプリケーションに派生してスタートしてみましょう。 このアプリケーションが作り終わったら、 以下の URL にアクセスするとあいさつページ(例えば「Hello Symfony」)を見ることができるでしょう。
http://localhost/app_dev.php/hello/Symfony
実際は、Symfony を挨拶されたい他の名前に置き換えることができるでしょう。 ページを作成するために、2つの簡単な手順を踏んでください。
Note
チュートリアルではすでに Symfony2 をダウンロードしてウェブサーバーが設定されていることを想定しています。 また、上の URL は、localhost が新しい Symfony2 プロジェクトの web ディレクトリに割り当てられている想定です。 この手順についての詳しい説明は、Symfony2 のインストール を参照してください。
ページを作り始める前に: バンドルの作成¶
ページを作り始める前に、バンドル を作る必要があります。 Symfony2 では、アプリケーション内のすべてのコードはバンドル内にあることを除けば バンドル はプラグインのようなものと言えます。
バンドルとは、固有の機能に関連するあらゆるものを格納している、単なるディレクトリです。 PHP クラスや設定ファイル、スタイルシート、JavaScript のファイルなどをバンドル内に作成します(バンドルシステム を参照)。
ここでは AcmeHelloBundle (この章で作る予定のお遊びバンドル) と呼ぶバンドルを作成するので、 次のコマンドを実行し、画面の指示に従ってください(標準のオプションを使います)。
php app/console generate:bundle --namespace=Acme/HelloBundle --format=yml
裏側では src/Acme/HelloBundle にバンドルのディレクトリが作成されます。 カーネルにバンドルを登録するために app/AppKernel.php にも自動的に行が追加されます。
// app/AppKernel.php
public function registerBundles()
{
$bundles = array(
// ...
new Acme\HelloBundle\AcmeHelloBundle(),
);
// ...
return $bundles;
}
バンドルがセットアップされたので、 そのバンドルの中にアプリケーションを構築できるようになりました。
ステップ 1: ルートの作成¶
標準では、Symfony2 アプリケーションのルーティング設定は app/config/routing.yml にあります。 Symfony2 の他の設定と同様に、XML または PHP のどちらの形式でもルートの設定を記述できます。
メインのルーティングファイルを見ると、 AcmeHelloBundle を作ったときに Symfony がすでにエントリを追加しているのがわかるでしょう。
-
YAML
# app/config/routing.yml AcmeHelloBundle: resource: "@AcmeHelloBundle/Resources/config/routing.yml" prefix: /
-
XML
<!-- app/config/routing.xml --> <?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <routes xmlns="http://symfony.com/schema/routing" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://symfony.com/schema/routing http://symfony.com/schema/routing/routing-1.0.xsd"> <import resource="@AcmeHelloBundle/Resources/config/routing.xml" prefix="/" /> </routes>
-
PHP
// app/config/routing.php use Symfony\Component\Routing\RouteCollection; use Symfony\Component\Routing\Route; $collection = new RouteCollection(); $collection->addCollection( $loader->import('@AcmeHelloBundle/Resources/config/routing.php'), '/', ); return $collection;
このエントリはかなり基本的ことです。ルーティングの設定を Resources/config/routing.yml から 読み込むことを Symfony に伝えています。このファイルは AcmeHelloBundle の中にあります。 これは、ルーティング設定を直接 app/config/routing.yml に置くか、 アプリケーションのどこにでもルートを整理することができ、ここからインポートすることを意味しています。
これでバンドルから routing.yml ファイルがインポートされました。 これから作ろうとしているページのURLを定義した新しいルートを追加しましょう。
-
YAML
# src/Acme/HelloBundle/Resources/config/routing.yml hello: pattern: /hello/{name} defaults: { _controller: AcmeHelloBundle:Hello:index }
-
XML
<!-- src/Acme/HelloBundle/Resources/config/routing.xml --> <?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <routes xmlns="http://symfony.com/schema/routing" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://symfony.com/schema/routing http://symfony.com/schema/routing/routing-1.0.xsd"> <route id="hello" pattern="/hello/{name}"> <default key="_controller">AcmeHelloBundle:Hello:index</default> </route> </routes>
-
PHP
// src/Acme/HelloBundle/Resources/config/routing.php use Symfony\Component\Routing\RouteCollection; use Symfony\Component\Routing\Route; $collection = new RouteCollection(); $collection->add('hello', new Route('/hello/{name}', array( '_controller' => 'AcmeHelloBundle:Hello:index', ))); return $collection;
このルーティングは2つの基本的な項目から構成されています。1つ目は pattern で、 このルートがマッチする URL のことです。2つ目は defaults 配列で、 実行されるべきコントローラを特定しています。 パターンの中のプレースホルダー文法({name})はワイルドカードです。 /hello/Ryan や /hello/Fabien や他の同様の URL がマッチすることを意味しています。 {name} プレースホルダーパラメータも、値をあいさつに使えるようにコントローラに通ります。
Note
ルーティングシステムにはアプリケーションの URL 構造を柔軟かつパワフルにつくるための より多くのすばらしい機能があります。 より詳しい情報は ルーティング についてのすべての章を参照してください。
ステップ2: コントローラの作成¶
アプリケーションが /hello/Ryan のような URL を扱うようになると、 hello ルートがマッチしてフレームワークが AcmeHelloBundle:Hello:index コントローラを実行します。 ページ作成手順の2つ目のステップはそのコントローラを作成することです。
AcmeHelloBundle:Hello:index はコントローラの論理名で、 Acme\HelloBundle\Controller\Hello クラスの indexAction メソッドにマッピングされています。 AcmeHelloBundle の中にこのファイルを作成することから始めましょう。
// src/Acme/HelloBundle/Controller/HelloController.php
namespace Acme\HelloBundle\Controller;
use Symfony\Component\HttpFoundation\Response;
class HelloController
{
}
実は、コントローラは、あなたが作成して Symfony が実行するメソッドに過ぎません。 コントローラは、リクエストされたリソースを構築し準備し、それらの情報を使うところです。 いくらかの高度な場合を除けば、コントローラの生成物は常に同じで、 Symfony2 の Response オブジェクトです。
hello ルートがマッチしたときに Symfony が実行する indexAction メソッドを作りましょう。 .. code-block:: text .. code-block:: text
// src/Acme/HelloBundle/Controller/HelloController.php
// ...
class HelloController
{
public function indexAction($name)
{
return new Response('<html><body>Hello '.$name.'!</body></html>');
}
}
コントローラは単純で、 Response オブジェクトを作成します。 このオブジェクトの最初の引数は、レスポンスで使われるコンテンツです (例として小さなHTMLページを想定しています)。
おめでとう!ルートとコントローラを1つずつ作っただけで、すでに実用的なページができあがりました! 正しくセットアップされていれば、アプリケーションがあいさつを返してくれるでしょう:
http://localhost/app_dev.php/hello/Ryan
オプションにはなりますが、一般的には3つ目のステップとしてテンプレートの作成があります。
Note
ページを作成するときにはコントローラは、書いたコードのメインのエントリポイントになり、 重要な構成要素でもあります。詳しくは コントローラの章 を参照してください。
オプションのステップ3: テンプレートの作成¶
テンプレートは、HTML コードなどのプレゼンテーションを別のファイルに分けることが出来、 ページレイアウトの異なる部分で再利用出来るようになります。 コントローラの中に HTML を書く代わりにテンプレートを描画します。
// src/Acme/HelloBundle/Controller/HelloController.php
namespace Acme\HelloBundle\Controller;
use Symfony\Bundle\FrameworkBundle\Controller\Controller;
class HelloController extends Controller
{
public function indexAction($name)
{
return $this->render('AcmeHelloBundle:Hello:index.html.twig', array('name' => $name));
// render a PHP template instead
// return $this->render('AcmeHelloBundle:Hello:index.html.php', array('name' => $name));
}
}
Note
render() メソッドを使うために、コントローラは Symfony\Bundle\FrameworkBundle\Controller\Controller クラス (API docs: Symfony\Bundle\FrameworkBundle\Controller\Controller)を 拡張する必要があります。このクラスは、コントローラの中でよく使われる動作の ショートカットを追加しています。上のサンプルでは実装済みで、 4行目に use 文を追加して、6行目でクラスを拡張しています。
render() メソッドは、Response オブジェクトを作成しますが、 このオブジェクトは描画されたテンプレートの内容で満たされています。 他のコントローラと同様に、最終的には Response オブジェクトを返しています。
テンプレートの描画について、2つの異なる例があることに注意してください。 標準では Symfony2 は 2つの異なるテンプレート言語をサポートしています。 1つはクラシックな PHP テンプレートで、もう1つは簡潔ですが強力な Twig テンプレートです。 心配しないでください。同じプロジェクト内でどちらかあるいはどちらも自由に選べます。
このコントローラは AcmeHelloBundle:Hello:index.html.twig テンプレートを描画しますが、 次のような命名規則を使っています:
バンドル名:コントローラ名:テンプレート名
これはテンプレートの 論理的な 名前で、次のような規則を用いた物理パスとのマッピングです:
/path/to/BundleName/Resources/views/ControllerName/TemplateName
今回の場合は AcmeHelloBundle がバンドル名、Hello がコントローラ名、 そして index.html.twig がテンプレート名です。
-
Twig
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{# src/Acme/HelloBundle/Resources/views/Hello/index.html.twig #} {% extends '::base.html.twig' %} {% block body %} Hello {{ name }}! {% endblock %}
-
PHP
<!-- src/Acme/HelloBundle/Resources/views/Hello/index.html.php --> <?php $view->extend('::base.html.php') ?> Hello <?php echo $view->escape($name) ?>!
Twig テンプレートを1行1行見ていきましょう。
- line 2: extends トークンは親のテンプレートを定義します。 親のテンプレートでは明示的にレイアウトファイルがどこに置かれるかを定義しています。
- line 4: block トークンは body という名前のブロックの中に挿入されるものを 示しています。ご覧のとおり、親のテンプレート(base.html.twig) は body という名前のブロックが最終的に描画されることに対して責任を負います。
親のテンプレートである ::base.html.twig は、 名前から バンドル名 と コントローラ名 が無くなっていて、 先頭が二重コロン(::)になっています。 これはテンプレートがバンドルの外に存在していて、app ディレクトリの中にあることを意味しています。
-
Twig
{# app/Resources/views/base.html.twig #} <!DOCTYPE html> <html> <head> <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8" /> <title>{% block title %}Welcome!{% endblock %}</title> {% block stylesheets %}{% endblock %} <link rel="shortcut icon" href="{{ asset('favicon.ico') }}" /> </head> <body> {% block body %}{% endblock %} {% block javascripts %}{% endblock %} </body> </html>
-
PHP
<!-- app/Resources/views/base.html.php --> <!DOCTYPE html> <html> <head> <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8" /> <title><?php $view['slots']->output('title', 'Welcome!') ?></title> <?php $view['slots']->output('stylesheets') ?> <link rel="shortcut icon" href="<?php echo $view['assets']->getUrl('favicon.ico') ?>" /> </head> <body> <?php $view['slots']->output('_content') ?> <?php $view['slots']->output('stylesheets') ?> </body> </html>
ベースのテンプレートファイルは HTML レイアウトを定義し、 index.html.twig テンプレート内で定義した body ブロックを秒しています。 このテンプレートは title ブロックも描画していて、index.html.twig テンプレート内で 定義することもできます。title ブロックを子テンプレートでで定義しなければ 初期値で「Welcome!」となります。
テンプレートはページのコンテンツを描画し整理するための強力な方法です。 テンプレートは HTML マークアップから CSS コード、 あるいはコントローラが返したいあらゆるものを描画できます。
リクエストのライフサイクルにおいて、テンプレートエンジンは単なるオプションツールです。 各コントローラの最終目標を思い出すと Response オブジェクトを返却することです。 テンプレートは Response オブジェクトのコンテンツを作成するための強力で、しかしオプションの、ツールです。
ディレクトリ構造¶
ほんのいくつかの節を経たことで、 Symfony2 においてページを作り描画する作業の裏側にある哲学をもう理解できました。 また Symfony2 のプロジェクトがどのように構造化され整理されているかも分かり始めてきたでしょう。 この節の終わりまでには様々なファイルがどこにあり、どこに置き、なぜそこに置くのかがわかるでしょう。
あらゆることに柔軟に対応できるのですが、標準では各 Symfony の アプリケーション は 共通の基本的なディレクトリ構造を持っていて、この構造は推奨されています。
- app/: アプリケーション設定を含むディレクトリ
- src/: プロジェクトのすべての PHP コードは このディレクトリの下に格納されます
- vendor/: 慣例ではあらゆるベンダーライブラリはここに置かれます
- web/: ここはウェブルートディレクトリで、公開してアクセス可能なファイルはここに含めます
ウェブディレクトリ¶
ウェブルートディレクトリは公開する静的なファイルすべてを置く場所です。 画像やスタイルシート、そして JavaScript も含みます。 また次のような フロントコントローラ を置く場所でもあります:
// web/app.php
require_once __DIR__.'/../app/bootstrap.php.cache';
require_once __DIR__.'/../app/AppKernel.php';
use Symfony\Component\HttpFoundation\Request;
$kernel = new AppKernel('prod', false);
$kernel->loadClassCache();
$kernel->handle(Request::createFromGlobals())->send();
フロントコントローラは (app.php を例にすると) Symfony2 を使うときに実行される PHP ファイルで、アプリケーションを起動するために AppKernel クラスを使います。
Tip
フロントコントローラを持っているということは、典型的なフラットな PHP アプリケーション内で使うのとは違い、 より柔軟な URL に対応できることを意味しています。フロントコントローラを使うとき、 URL 次のように書きます。
http://localhost/app.php/hello/Ryan
フロントコントローラの app.php が実行され、”内部的な:” URL の /hello/Ryan はルートの設定を使って内部的にルートされます。 Apache の mod_rewrite ルールを使えば、次のような URL でファイル名を特定しなくても app.php を実行させることができます。
http://localhost/hello/Ryan
フロントコントローラはすべてのリクエストの扱いにおいての重要なポイントではありますが、 フロントコントローラを修正したり、その存在自体をかんがえることさえもほとんどありません。 フロントコントローラについていは 環境 節で再び簡単に触れようと思います。
アプリケーション (app) ディレクトリ¶
フロントコントローラで見たように、AppKernel クラスはアプリケーションのメインの エントリポイントで、すべての設定に責任を持ちます。app/ ディレクトリの中に 格納されているような設定です。
このクラスは2つのメソッドを実装しなければならず、 これらは Symfony がアプリケーションについて知るために必要なすべての定義です。 開発を始めるときはこれらのメソッドに心配をする必要さえありません。 Symfony が実用的な標準設定をしてくれています。
- registerBundles(): アプリケーションで実行する必要があるバンドルの配列を返します。 (バンドルシステム を参照)
- registerContainerConfiguration(): メインアプリケーションのリソースファイルを読み込みます。 (アプリケーション設定 の節を参照)
日常的な開発においては、app/config/ ディレクトリの中の設定やルーティングファイルを 編集するために app/ ディレクトリをよく使うでしょう(アプリケーション設定 を参照)。 また app/ ディレクトリは、アプリケーションキャッシュディレクトリ(app/cache)や ログディレクトリ(app/logs)、そしてテンプレート(app/Resources)などの アプリケーションレベルのリソースファイルなども含みます。 これらのディレクトリについては後の章でより詳しく学べるでしょう。
バンドルシステム¶
バンドルは他のソフトウェアでいうプラグインに似ていますが、それよりもずっと素晴らしいものです。 重要な違いは Symfony2 では すべて がバンドルであることです。 これにはコアフレームワークの機能もアプリケーションのために書いたコードも含みます。 バンドルは Symfony2 において第一級市民なのです。 これによって、サードパーティのバンドル に構築された機能を使ったり、 バンドルを配布したりすることが柔軟にできます。 バンドルによってアプリケーションの中で有効にする機能を選択したり思うがままに最適化することが簡単にできます。
Note
ここでは基本的なことを学ぶことになると思いますが、 クックブックのエントリはすべて bundles の構造やベストプラクティスに向けられています。
バンドルは1つの機能を実装したディレクトリの中の構造化された単なるファイルの集合です。 BlogBundle や ForumBundle 、あるいはオープンソースのバンドルなどの管理しているバンドルをつくるでしょう。 それぞれのディレクトリはその機能に関連するすべてのファイルを含んでいます。 PHP ファイルやテンプレート、スタイルシート、JavaScript、テストやほかのすべてを含みます。 ある機能のすべての面はバンドルに含まれており、すべての機能はバンドルの中に存在しています。
あるアプリケーションは、AppKernel クラスの registerBundles() メソッドの中で定義されたバンドルで構成されます。
// app/AppKernel.php
public function registerBundles()
{
$bundles = array(
new Symfony\Bundle\FrameworkBundle\FrameworkBundle(),
new Symfony\Bundle\SecurityBundle\SecurityBundle(),
new Symfony\Bundle\TwigBundle\TwigBundle(),
new Symfony\Bundle\MonologBundle\MonologBundle(),
new Symfony\Bundle\SwiftmailerBundle\SwiftmailerBundle(),
new Symfony\Bundle\DoctrineBundle\DoctrineBundle(),
new Symfony\Bundle\AsseticBundle\AsseticBundle(),
new Sensio\Bundle\FrameworkExtraBundle\SensioFrameworkExtraBundle(),
new JMS\SecurityExtraBundle\JMSSecurityExtraBundle(),
);
if (in_array($this->getEnvironment(), array('dev', 'test'))) {
$bundles[] = new Acme\DemoBundle\AcmeDemoBundle();
$bundles[] = new Symfony\Bundle\WebProfilerBundle\WebProfilerBundle();
$bundles[] = new Sensio\Bundle\DistributionBundle\SensioDistributionBundle();
$bundles[] = new Sensio\Bundle\GeneratorBundle\SensioGeneratorBundle();
}
return $bundles;
}
registerBundles() メソッドを用いることで、アプリケーションによって使われるバンドルを 総合的にコントロールしています。
Tip
バンドルは、(app/autoload.php によってオートローダを設定して)自動読み込みが出来さえすれば どこにでも 置くことができます。
バンドルの作成¶
Symfony スタンダードエディションには、ちゃんと動作するバンドルとつくるためのタスクが付属しています。 もちろんバンドルを手動で作ることもとても簡単です。
バンドルシステムがどれほどシンプルかをお見せするために、 AcmeTestBundle という名前で新しいバンドルを作り、有効化してみます。
Tip
Acme の部分は単なるダミーの名前ですので、読者や読者の組織を表すベンダー名に 置き換えてください(例えば ABCTestBundle は ABC という名前の会社のバンドルです)。
src/Acme/TestBundle/ ディレクトリを作成して、次のような AcmeTestBundle.php という名前の 新しいファイルを追加してください。
// src/Acme/TestBundle/AcmeTestBundle.php
namespace Acme\TestBundle;
use Symfony\Component\HttpKernel\Bundle\Bundle;
class AcmeTestBundle extends Bundle
{
}
Tip
AcmeTestBundle という名前は、標準的な バンドル命名規則 に従っています。 クラス名とファイル名を省略して、単純に TestBundle という名前のバンドルにすることもできます。
この空のクラスは新しいバンドルを作るために必要なただ1つの要素です。 通常はからですが、このクラスはバンドルの動作をカスタマイズできてとても強力です。
バンドルを作成したので、AppKernel クラスで有効化しまししょう。
// app/AppKernel.php
public function registerBundles()
{
$bundles = array(
// ...
// register your bundles
new Acme\TestBundle\AcmeTestBundle(),
);
// ...
return $bundles;
}
バンドル自体は何もしませんが、AcmeTestBundle は使う準備ができました。
これと同じくらい簡単にできるのですが、 Symfony は基本的なバンドルのスケルトンを生成するための コマンドラインインターフェースも提供しています。
php app/console generate:bundle --namespace=Acme/TestBundle
このバンドルのスケルトンは、基本的なコントローラやテンプレート、 ルーティングのリソースをカスタマイズされた状態で生成します。 Symfony2 のコマンドラインツールについては、後ほど詳しく学びます。
Tip
新しいバンドルを作成したりサードパーティのバンドルを使うときは、 いつも registerBundles() で有効にしなければなりません。 generate:bundle コマンドを使う場合は、有効化してくれます。
バンドルのディレクトリ構造¶
バンドルのディレクトリ構造は簡単で柔軟性があります。 標準では、バンドルシステムは、すべての Symfony2 バンドルの間で コードの一貫性を保ちやすいような規約に従っています。 AcmeHelloBundle を見てみてください。バンドルの最も一般的な要素で構成されています。
- Controller/ はバンドルのコントローラを含んでいます(例えば HelloController.php)。
- Resources/config/ はルーティング設定を含む様々ば設定を格納しています(例えば routing.yml)。
- Resources/views/ はコントローラ名で整理されたテンプレートを保持しています(例えば Hello/index.html.twig)。
- Resources/public/ ウェブアセット(画像やスタイルシートなど)を含んでいます。 これらは assets:install コンソールコマンドによって、プロジェクトの web/ ディレクトリの中に コピーあるいはシンボリックリンクされます。
- Tests/ はバンドルのためのすべてのテストを含みます。
バンドルは実装する機能によって小さくなったり大きくなったりします。 バンドルは必要とするファイルだけを含んでいるので、それ以外は含みません。
この本を進んでいくにつれて、データベースにオブジェクトを永続化する方法やフォームを作り検証する方法、 アプリケーションで翻訳データを作る方法やテストの書き方など、より多くを学ぶでしょう。 これらはそれぞれバンドルのなかで各々の配置があり、役割をもっています。
アプリケーション設定¶
あるアプリケーションは、そのアプリケーションのすべての機能を表すバンドルの集合で構成されます。 それぞれのバンドルは YAML や XML、PHP などで書かれた設定ファイルによってカスタマイズできます。 標準では、メインの設定ファイルは app/config/ ディレクトリにあり、 それぞれ config.yml、config.xml、config.php と呼ばれ、 選んだ形式によって書式が決まっています。
-
YAML
# app/config/config.yml imports: - { resource: parameters.ini } - { resource: security.yml } framework: secret: %secret% charset: UTF-8 router: { resource: "%kernel.root_dir%/config/routing.yml" } form: true csrf_protection: true validation: { enable_annotations: true } templating: { engines: ['twig'] } #assets_version: SomeVersionScheme session: default_locale: %locale% auto_start: true # Twig Configuration twig: debug: %kernel.debug% strict_variables: %kernel.debug% # ...
-
XML
<!-- app/config/config.xml --> <imports> <import resource="parameters.ini" /> <import resource="security.yml" /> </imports> <framework:config charset="UTF-8" secret="%secret%"> <framework:router resource="%kernel.root_dir%/config/routing.xml" /> <framework:form /> <framework:csrf-protection /> <framework:validation annotations="true" /> <framework:templating assets-version="SomeVersionScheme"> <framework:engine id="twig" /> </framework:templating> <framework:session default-locale="%locale%" auto-start="true" /> </framework:config> <!-- Twig Configuration --> <twig:config debug="%kernel.debug%" strict-variables="%kernel.debug%" /> <!-- ... -->
-
PHP
$this->import('parameters.ini'); $this->import('security.yml'); $container->loadFromExtension('framework', array( 'secret' => '%secret%', 'charset' => 'UTF-8', 'router' => array('resource' => '%kernel.root_dir%/config/routing.php'), 'form' => array(), 'csrf-protection' => array(), 'validation' => array('annotations' => true), 'templating' => array( 'engines' => array('twig'), #'assets_version' => "SomeVersionScheme", ), 'session' => array( 'default_locale' => "%locale%", 'auto_start' => true, ), )); // Twig Configuration $container->loadFromExtension('twig', array( 'debug' => '%kernel.debug%', 'strict_variables' => '%kernel.debug%', )); // ...
Note
それぞれのファイル・形式をどうやって読み込むのかは次の 環境 の節で学べるでしょう。
framework や twig のようなトップレベルのエントリは、 それぞれ特定のバンドルのための設定を定義しています。 例えば、framework キーは Symfony の FrameworkBundle のための設定を定義していて、 ルーティング、テンプレート、そしてほかのコアシステムの設定を含んでいます。
さしあたっては、それそれの節において、特定の設定オプションについて心配する必要はありません。 設定ファイルは実用的な標準設定で同梱されています。 Symfony2 の各部分を読んだり探検したりするにつれて、 それらの機能の設定オプションについて学べるでしょう。
環境¶
アプリケーションは様々な環境で実行することができます。 環境が異なっていも同じ PHP コードを共有していますが(フロントコントローラは別ですが)、 別の設定を使います。例えば、dev 環境は警告やエラーをログにかき込みますが、 一方で prod 環境はエラーだけをログに書き込みます。 dev 環境では(開発者の利便性を考慮して)リクエストごとに同じファイルを再構築しますが、 prod 環境ではキャッシュされます。すべての環境は同じサーバーに共存して同じアプリケーションを実行します。
Symfony2 のプロジェクトは一般的には3つの環境(dev、test、prod)で始まりますが、 新しい環境を作ることも簡単です。アプリケーションを違う環境で見る方法は簡単で、 ブラウザでフロントコントローラを変更することでできます。 dev 環境のアプリケーションを見るためには、 開発用のフロントコントローラでアプリケーションにアクセスします。
http://localhost/app_dev.php/hello/Ryan
プロダクト環境でどのように動くかを見たければ、 代わりに prod のフロントコントローラを呼び出してください。
http://localhost/app.php/hello/Ryan
Note
web/app.php ファイルを開いたら、明示的に prod 環境を使う設定がされているのがわかるでしょう。
$kernel = new AppKernel('prod', false);
このファイルをコピーして prod を別の値に変更すれば、 新しい環境のための新しいフロントコントローラが作成できます。
prod 環境は速度を最適化されているので、設定やルーティング、Twig テンプレートは フラットな PHP クラスにコンパイルされ、キャッシュされます。 prod 環境の表示結果を変更したいときは、 これらのキャッシュファイルをクリアする必要がありますが、 次のコマンドでこれらを再構築できます。
php app/console cache:clear --env=prod
Note
自動テストが走るときやブラウザから直接アクセス出来ないときは、test 環境が使われます。 詳しくは テストの章 を参照してください。
環境設定¶
AppKernel クラスは、選択した設定ファイルを実際に読み込むことに責任があります。
// app/AppKernel.php
public function registerContainerConfiguration(LoaderInterface $loader)
{
$loader->load(__DIR__.'/config/config_'.$this->getEnvironment().'.yml');
}
すでにご存知のとおり、.yml の拡張子は、 設定を XML か PHP を使って書いていれば、 .xml や .php に変更することができます。 それぞれの環境は自分自身の設定ファイルを読み込むことにも注意してください。 dev 環境の設定ファイルについて考えてみましょう。
-
YAML
# app/config/config_dev.yml imports: - { resource: config.yml } framework: router: { resource: "%kernel.root_dir%/config/routing_dev.yml" } profiler: { only_exceptions: false } # ...
-
XML
<!-- app/config/config_dev.xml --> <imports> <import resource="config.xml" /> </imports> <framework:config> <framework:router resource="%kernel.root_dir%/config/routing_dev.xml" /> <framework:profiler only-exceptions="false" /> </framework:config> <!-- ... -->
-
PHP
// app/config/config_dev.php $loader->import('config.php'); $container->loadFromExtension('framework', array( 'router' => array('resource' => '%kernel.root_dir%/config/routing_dev.php'), 'profiler' => array('only-exceptions' => false), )); // ...
imports キーは PHP の include 文と似たようなもので、 メインの設定ファイル(config.yml)が最初に読み込まれることを保証しています。 ファイルの残りの部分は、ログを増やしたり開発環境の助けとなる他の設定のために 標準設定を微修正しています。
prod と test 環境は両方共次のような同じモデルに従っています: それぞれの環境はベース設定をインポートし、それぞれの環境に合わせて設定値を変更します。 これはある意味規約ではあるものの、ほとんどの設定を使いまわせて、 環境間のちょっとした違いをカスタマイズすることができます。
要約¶
おめでとう! Symfony2 の様々な基本的な側面を見てきましたが、 それらがいかに簡単で柔軟にできることが分かっていただけたでしょう。 ここまでに たくさんの 機能がありましたが、 次の基本的なポイントについて心にとどめておいてください:
- ページの作成は3つの手順からなり、ルート、コントローラ 、 そして(オプションですが)テンプレート を含みます。
- それぞれのプロジェクトはほんのいくつかのメインディレクトリで構成されます: web/ ディレクトリ(ウェブアセットとフロントコントローラ)、 app/ ディレクトリ(設定)、src/ ディレクトリ(読者のバンドル)、 そして vendor/ ディレクトリ(サードパーティのコード)です。 ベンダーライブラリをアップデートするために使う bin/ ディレクトリも 含まれます。
- Symfony2 フレームワークのコアを含む、Symfony2 の各々の機能は バンドル で整理されており、 その機能のための構造化されたファイルの集合となっています。
- それぞれのバンドルの設定は、app/config ディレクトリにあり、 YAML か XML か PHP で設定できます。
- それぞれの環境は別のフロントコントローラによってアクセスできます (例えば app.php と app_dev.php)。そして異なる設定ファイルを読み込みます。
ここからは、各章ではより強力なツールと高度な概念を紹介していきます。 Symfony2 について詳しく知れば知るほど、アーキテクチャの柔軟性と 高速アプリケーションを開発できるパワーが分かってくるでしょう。